『魚野地の四季』

新潟県魚沼市魚野地在住。鈴木健市の日々個人記録です。

【時を経てほんとの姿を見せる。朱鷺姿】

魚沼 滝沢達雄が育種した芍薬 朱鷺姿。

達雄さんが亡くなった翌年の秋に掘り上げた株。

あれから3年経ちました。

株があった圃場は2か所。

一つは荒れ果ててしまってやっと掘り上げた株が病気に侵されてしまった圃場でした。

もう一つ すこしだけあるんです。とお孫さんの利通君。

その株を、割って即切り花用の植え込みに入りました。

 

あれから今日までの一連の流れをブログに書いて残しておこうと思います。

 

利通君「朱鷺姿は良く育つと、かぐや姫に花が非常に似ているんです」
その声を聞いていた僕がみた滝沢家に残る朱鷺姿の写真は、俺はそうは思わない、というものでした。これはでも綺麗な芍薬だ。優しい花だね。

 

それから病気に起こされた株と分けて栽培を行っています。

 

その良いとされる株で1年目に小さな花が咲きました。

去年の2年目にも花が咲きました。そこで思ったのです。どうも違う。

花がかぐや姫と似すぎて見分けが付かないのです。

すぐさま、株を半分わけた山喜農園森山課長に電話し株が混ざったかもしれないので確認して欲しいと頼みました。

もしかしたら、かぐや姫の株を起こしてきたのかもしれないと。

 

その株が3年目の5月末、花を開かせました。

 

どうもおかしいのです。

近くにあるかぐや姫よりも葉の色が薄い。そして成育が3~5日早い。

草姿はかぐや姫。蕾も非常に似ている。

「開花させてみないとわからない」と利通君と収穫は今年からと思ったらやめよう一年先延ばしにすることを決定。

開花を待つ。ということにしました。

 

掘り起こした株を丁寧に割り、古い根を落とし2年かけて新しい根を土に宿す。

ただひたすら待つ。葉を育て株を育て待つ。信じて待つ。

しかし、その花が朱鷺姿かどうかが分からない。

 

満開に開いた朱鷺姿。

花弁枚数を格段に増やし、生まれ変わって本当の姿をやっと見せた。

これが朱鷺姿。

 

新しい品種というものが、一つの価値としてあるのであれば

僕がやりたいことは今ある芍薬に命を吹き込む仕事です。

明確にぶれずに、私の中にはそれを最大の魅力として多くの物語と

共に届けていけるイメージがしっかりとあります。

 

写真で見せます。それがどのように変化したのかを。

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【↑これが弱っていた株で咲いた朱鷺姿です。滝沢家圃場にて撮影。掘り起こし前】

 

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【これが本当の花を見せてくれた朱鷺姿。圧倒的に花弁枚数を増やしています】

 

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【私が見間違えた かぐや姫との比較です。上が朱鷺姿 下がかぐや姫