【ユリで、思いを、つたえたい。70年】
平成30年4月19日 魚沼花き園芸組合は創立70周年を迎えました。
厳しく長い雪の季節を越え、魚沼にも桜の花が咲く季節がやって来ました。
こうして、ずっとずっと長い間 魚沼は四季厳しく四季豊かな時間を重ねて来ました。
『この生まれ育った魚沼で生きる』
昭和23年有志8名の思いにより生まれ、戦後食糧難の時代に花を育てるということを自らが選択し歩んできた先人たち。
昭和24年に宝物のような値段の朝鮮姫ユリの種を買い球根を育てるということで勢いを増したと聞いております。
幾多の試練、困難、そして喜びと共に畑に足跡をつけ、拳を握りしめ重ねてきたその歳月70年。
昭和36年に球根を冷蔵して栽培するという偉業を世界初で成し遂げ、今では世界中で一年中ユリの花が咲く。という時代になりました。
ユリを育て、育てたユリを遠方にある消費地に送り届ける。
当時は貨物コンテナに乗せて走ったその花を見届けながら、先人はどれだけ思いを伝えてきたことだろうか。
畑に蒔いた吹けば飛ぶようなユリの種。
雪融けを待ち畑で土を見つめながらその葉が出てくるかとどれだけの思いを重ねただろうか。
時代がどれだけ変わろうとも、きっとその『思い』を『歩み』を止めてはならないと思います。
何も無かった時代に、胸に描いた思いを自らの手で実現してきた先人たちを思えば今私が球根を手にとり土に宿すその瞬間から、この花が見事に花を咲かせ人の心を潤してくれるその願いを込めて。
当時は自らが育ててきた球根が今はオランダから届くようになりました。
昔とユリを咲かせるというまでの仕事は大きく姿を変えてきましたが、昔と変わらず多くの人が関わり続けてその1本のユリがあることに変わりはありません。
この魚沼の露地で育つユリが素晴らしい花を咲かせてくれると信じて伝えてきたに違いありません。
先人の労苦に心から感謝し、今関わり続ける全ての繋がりに感謝し、思いを一つにして咲かせたいユリの花。
夢つないで百年産地へ。
『ユリで、思いを、伝えたい』